Il quaderno d'Estate Ⅱ

Biglobeウェブリブログから移行してきました。

そして16年 ー 再びサクラサク フィギュアスケート世界選手権2023 その1

さいたまスーパーアリーナで開催された第113回世界選手権から一週間が経ちました。

その間、私はツイートすらあまりしなかったのですが…歓喜爆発状態だったというのに、我ながらいったいなんでその思いをSNSで出さなかったのか。もちろん観戦後には、さいたまアリーナに詰めていたツケで、仕事や介護に追われもしましたが、それにしても試合の直後にもツイート2,3しただけだったと思います…あまりにも胸がいっぱいになりすぎていたんでしょうかねえ。しみじみと喜びを胸の中で反芻していたというか…

とにかくたまアリでの熱い感動を文章に残しておきたいので、ブログで文章にまとめてみようと思います。

 

もう何度も書いていますが、そもそもの始まりは16年前、東京体育館で観戦した2007年世界選手権男子フリーでした。あの時のキスクラも桜の花で飾られていましたが、16年後会場こそ変わりましたが、たまアリのキスクラも桜で飾られました。奇しくも2007も2023も私の席はキスクラを正面から見る席で、16年前、世界の男子トップ選手へと駆け上がった21才の高橋大輔とアイスダンサーとして不死鳥のように甦った37才の高橋大輔

を桜の花とともにこの目で見届けたなんて…こんな幸せを与えてくれたスケートの神様にただただ感謝しています。

 

哉中ちゃんとカップルを組んで3シーズン目(1シーズン目はコロナ禍だったから、国際試合に関しては実質2シーズン目ですね)の2022/2023、リズムダンス、フリーダンスともに良プロに恵まれ、我々ファンだけでなく初戦のスケートアメリカの観客にも好評なパフォーマンスで始まりましたが、テクニカルな取りこぼしがあり点数的には伸び悩みの感が続きました。そして2月の四大陸選手権では散々といってよい結果に…標高1800mという環境がアラフォーの大ちゃんの体力を奪ったという原因がはっきりしていても、それでも私はワールドまでの1ヶ月間不安な気持ちでいました。ジャッジの心象も悪くなったかもしれないし…

 

それだけにRDの「コンガ」が大ちゃんのツイズル回り過ぎのようなミスもあったものの、まずは無事に滑りきったことは、ほっとしたというか、こちらが勇気100倍もらった感じでした。会場の歓喜爆発っぷり見ても、私以外のかなだいファンの多くも同じように祈る気持ちでRDの日を迎えていたのではないでしょうか。

それにしても久しぶりの声出し応援可能な5分間練習…こんなに張り合いのある素晴らしいものだったんですねえ。私は24日は400レベルの最前列だったので遠慮することなく(もちろんマスク着用で)、「大ちゃんがんば」「哉中ちゃんがんば」「大ちゃん哉中ちゃんがんば」叫ばせていただきました!FDの時もそうでしたが、かなだいが通り過ぎるとうねりというか地鳴りのような応援の声と拍手が広がっていき、今思い出してもゾクゾクするような快い緊張の漲った空間でした。

 

点数は72点、正直もっと出るかなと思っていたのですが、前述のツイズルのミスもあったことだし、とにかく目標の10位以内に手の届く11位につけて翌25日のFDを迎えました。

…FDの結果についてはここで繰り返すまでもないでしょう。遂に「オペラ座の怪人」の完成形を滑りきり、フィニッシュポーズの後、手で顔を覆って感涙の大ちゃん(フジに実況では、哉中ちゃんのアップを捉えていて、大ちゃんが手で顔を覆っているところは映っていませんでしたね)ーその瞬間私はキスクラでモロゾフと歌子先生と抱き合って号泣していた若き日の大ちゃんの姿を重ねていました。

あの時もファントムだった!これはやはり運命だったのでしょう。一時はスケートから心が離れかけたのに、まるで燃え尽きた灰の中から甦る不死鳥のように高橋大輔は氷上で義経光源氏に転生し、そして今アイスダンサーとして再びファントムに戻ってきた…しかも哉中ちゃんというクリスティーンを得て。

 

なんかもうポエムになってしまいましたが、だってやっぱりこれは「道」なんですよ。かつてCobaさんが大ちゃんに贈った「あなたは僕と同じ道を拓く人だ」という言葉のとおり。

 

リンクを上がってきた時にトカチェンコ先輩がかけた"Right time, right place"という言葉、点数が出る直前にかなだいの二人が「何点でもいいよ」と言い合っていたこと、そして115点という目を丸くして驚く二人、すべてが幸せな物語でした。

 

かなだいのことだけでなく、今回の世界選手権はスケートの神様に守られたかのような素晴らしい大会となりました。私が生で観戦できたアイスダンスも男子女子FSもまさに「神大会」!ペアも見たいし、私はすべての選手を映像で持っていたくなり急遽Jスポ加入しちゃいましたよー。

かなだい以外の感想もこの後綴れたら…と思っています。