Il quaderno d'Estate Ⅱ

Biglobeウェブリブログから移行してきました。

E la strada prosegue そして道は続くーかなだい現役引退

かなだい現役引退が明らかになってから10日あまり。引退が公になった5月1日の2日前、プリンスアイスワールドでゲストのかなだいの"Love goes"を見て、撮影タイムに写真を撮らせてもらった時には、「現役引退」の四文字は思い浮かびもしませんでした。

そのPIWのこともその前の国別対抗(RDの日しか生観戦出来ませんでしたが…)のこともブログに書く暇がなく、今日やっと書く時間が取れた次第です。

 

April 29, 2023 Shin-Yokohama 

 

大ちゃんの年齢を考えればいつその時が来てもおかしくないのに、昨年の去就発表時期から考えて、今シーズンもまだすぐには発表はないと油断してました…5月1日月曜日、仕事が終わってスーパーで買い物、レジ待ちの列でふとスマホを見たらNHK防災アプリから「髙橋大輔 村元哉中 現役引退」の通知が。

 

今振り返ると、2014年の一回目の引退の時は、正直ほっとした気持ちがありました。ソチ前後の怪我やネガキャン(「世代交代」の煽りはほんとうに嫌なものでした)、様々な出来事から「もう競技の世界にいても…」という思いが私にはあったのです。

でも今回は紆余曲折だからこその達成感があったワールドと国別のパフォーマンスがあり、アイスダンスチームとしての進化がはっきりと実感され、ここまできたら次は200点超え、GPS表彰台、ワールド入賞…と明るい展望が開けていました。捕らぬ狸の皮算用になってしまいまいしたが、私は「オリンピック行けるかも!?そうなったら私はミラノ、コルペナダンペッツォまで応援に行くよ?」などと考えていました。

そんな風に勝手に盛り上がっていたので、突然に思えた引退は前回の何倍もの衝撃でした。しかし翌日の記者会見の報道とインスタライブで大ちゃん哉中ちゃんの口から引退に至った理由を聞いて、100%納得しました。

アイスダンスに転向してからも時々「大ちゃん膝大丈夫なのかな。クリスも膝の怪我で苦労していたし、アイスダンスの男子も膝に負担多そうだよね。でもジャンプないから大丈夫なのかな?」などと想像していましたが、記者会見で大ちゃん自身の口から語られた右膝の状態は、想像以上に厳しいものでした…アイスダンスになってからも、たまにキスクラで右膝をさすっていることがありましたが、あれも今思うと…

とにかくかなだいとして、いち表現者として長くパフォーマンスを続けるためにも、ここで競技を終了するのは正しい判断になるのでしょう。

 

前述したように、競技者かなだいとして伸びしろがまだまだあったと思われるだけに、口惜しい気持ちを完全に払拭できてはいませんが、記者会見の時の大ちゃんの明るい表情を見ると、前回の引退の時との実感します。今見ると、2014年の貴社会見の時の大ちゃん目が死んでました…。

それに私は大ちゃん自身がそんなに気にしているとは思っていなかったのですが、2014年のさいたまワールドを欠場して、そのままファンに別れを告げないまま引退したことを気に掛けていたんですね。まるで運命に導かれるように、同じさいたまアリーナでのワールドと、大ちゃんを男子シングルのトップグループに押し上げた2007年ワールドと同じ東京体育館で、2度目の引退を迎えることになりました。しかも16年前と同じ「オペラ座の怪人」で!それもかなだい自身も私たちファンも納得いく素晴らしいパフォーマンスをRD、FDともに二試合で揃えて。

2008年の右膝の怪我の時も辛かったですが、2012年頃からの一連の嫌な流れは思い出すのも辛い年月でしたが、ああいったこともすべて今に繋がっていたのですね。バンクーバー・オリンピックの時の西岡アナの実況の「すべての道はバンクーバーに繋がっていた!」のとおり、その先も道はずっと続いていて、そしてこれからも続くのですね。

2015年、スケート靴を置いてアメリカに行ってしまった時も、あれがあったからこそ大ちゃんはスケートをもう一度見つめ直して、スケートとともに生きる道に戻ってこられた。ほんとうに何一つ無駄なことは なかった。

1度目とは打って変わって「自分が好き」という晴れやかな大ちゃんを見ることが出来て、私は心の底からうれしいです。

 

そして哉中ちゃん。かねてからの「大ちゃんが最後のパートナー」という言葉通り、一緒に現役引退してくれました。三十才という年齢を考えると、時間をかけて次のパートナーを探すのは大変というのはあるにせよ、フィジカルの面での余裕を残しながら、「最高のパートナー」と同じ道を行く選択をしてくれた。

国別対抗の「オペラ座の怪人」のフィニッシュの直後に、大ちゃんのシングル時代の「オペラ座」のフィニッシュの仮面を取る仕草をした哉中ちゃん。それは交差した二人の「道」が交差して、そしてそれはまだ続くということの象徴のようでした。

 

競技から退いても、「かなだい」は続行した上で、大ちゃん哉中ちゃん各々ソロ活動も並行していくとのこと、一粒で二度美味しいじゃないですか!まずはアイスエクスプロージョン福岡公演(介護があるので急な遠征の出来ない私は、涙をのみますが、でも本当はすごく行きたいです…)で新たな始動、そして来年はいよいよ「氷艶」の再開!もう楽しみしかありません!!

 

それでも最後に「未練」を書かせてくださいね。大ちゃんの一回目の引退の時の私は「もう試合には縁なくなるな。それでもいいや」ぐらいに思っていたのが、2018年の現役復活からのこの5年間、あの張り詰めた試合の空気を再び吸ったことで、高橋大輔ファンとしてはそこから距離を置くことになるもう戻れないというのをとてもさびしく感思います。

かなだい始動後、コロナ禍という中断や制限が入ってしまいましたが、ワールド、国別と最後の二試合で歓声の解禁された会場で、競技のフィニッシュを迎えることが出来てほんとうによかった…!私も「大ちゃんがんば!」「大ちゃんかなちゃんがんば!」と声援を飛ばせて、これで思い残すことはないとしなくちゃ。

ワールド「オペラ座」後のインタビューで大ちゃんが5分間練習での「がんばれ」の声援を聞いて「よし頑張る!」となったと言ってたことうれしいですねえ。

私個人としても大ちゃんのいない2014年のさいたまワールドでの苦い現地での思い出を同じ会場で完全に払拭出来たし、繰り返しますが今回は大ちゃん本人にもファンにも幸せな引退となったことをスケートの神様に感謝するばかりです。