Il quaderno d'Estate Ⅱ

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私的かなだい「オペラ座の怪人」考 And listen to the music of the night

アイスエクスプロージョン2023福岡公演が始まり、ツイッターのTLに観客撮影可のグループナンバーの動画が流れてきて、うれしい限り…そして現地に行けない我が身が残念ですが、母を自宅介護する身は、気軽に遠方に旅行に行けないので仕方ありません。

むしろそんな自由が制限される中で、さいたまワールドはRD、FD両日、国別対抗はRDの日に生観戦出来たことは、幸運だったと感謝したいと思います。

 

国別はねえ…かなだいが出場するか確信が持てず、職場の休みを取っていなかったのが今思うと痛恨です。かなだい出場じゃない可能性があっても、両日休みを取っておくべきでした。考えて見れば、ワールドランキングが上の組が行くんだし、正当な理由無しで欠場したらペナルティで1ヶ月ショーに出られないし(今もそうか知らんけど、大ちゃんがシングル時代はそうでしたよね。欠場したら神戸チャリティーに出られなくなるからって大ちゃん右足引き摺っていたのに国別対抗に強行出場したんですよね。同じ年に特定選手はあっさり免除されたことと併せて、私は忘れてないからね)、余程のことがな今限り、がなだい選出でしたね。こんな疑心暗鬼になっていたのも、北京オリンピック選出の時のトラウマですかね。

グダグダ書いてきましたが、要するに、よく言われる「推しは推せる時に推せ」ということ。むりしてもかなだい現役のラストダンスとなった国別の「オペラ座の怪人」見に行けばよかった…(RDのあった木曜日は元々休みだったので、現地行けました。)

 

さて本題。

シーズン前、かなだいのFDの曲が発表された時、正直なところ「オペラ座の怪人」かぁ…いくら大ちゃんのシングル時代に名プロがあったとはいえ、競技プロとしては数え切れないほどの選手が使っていて今さらなんじゃないかな…という悪魔の声が私の心の片隅にありました。

オペラ座」は名曲揃いゆえか、へたくそに曲を繋げた駄プロが多くてねえ。ちなみに大ちゃんのシングル時代の「オペラ座」はさすがモロゾフ、曲の繋ぎが絶妙で名プロになってました。あと今思いついたのは、カン様こと神崎範之さんが大ちゃんと同じ2006/2007シーズンにやっていた「オペラ座」も印象に残っています。未だにたまに2006年全日本のカン様の動画見ることがあるのですが、The music of the nightのメロディで三連ジャンプ跳ぶところがほんとにいいんです!

 

話がまた逸れてしまいましたが、昨年10月のスケートアメリカで迎えたかなだい「オペラ座の怪人」お披露目。事前に配信で哉中ちゃんが曲を編集している様子が伺え(才女だ…)、当初の疑念?から期待に変化してきてましたが、それにしてもスケアメで初めて目にしたフルヴァージョンはある種の衝撃でした!スケアメ観客のプログラム人気投票でもアイスダンスRD、FDすべての中で一番取ったというのもあのプロに魅せられたのは私だけでない!証明ですね。現在のアイスダンスの競技プロはコンテンポラリーが主流なので、物語性のあるプロが受けたというのもあるとか。

 

大ちゃんのシングル時代遡りますが、第一期のラスト前のシーズンのフリーにオペラ「道化師」がありました。妻に裏切られた道化師の怒りと悲しみを若い大ちゃんがパセティックに表現し、特に2012年全日本は名演技として記憶されてますが(順位・点数的には私は未だに口惜しくてなりませんが)、同じ頃にペアの川口&スミルノフが同じ「道化師」を競技プロに使っていたシーズンがあり、これ見てちょっと考えてしまいましたね。大ちゃんの「道化師」は表現の極限までいった素晴らしいパフォーマンスだったけれど、オペラとかミュージカルを使用する場合は、カップル競技にはかなわないのではないか、という…。たとえば「道化師」は嫉妬に狂う夫と、その束縛から逃れようとする妻の葛藤の物語で、やはり「夫」「妻」二人が揃うと物語性が強調されプログラムに真実味が増すのだと思います。

 

ここで思い出すのが、配信でズエワ・コーチがかなだい二人に語っていたたとえ話。こん内容でした。

かつて大輔は一人でファントムを滑っていて、頭の中で理想のクリスティーヌを創り上げた。そして今そのクリスティーヌが現実の女性となって現れた。それが哉中なの。

スケアメでフルを見た時に「かなだいオペラ座の意味はこれだ!」と思いました。「ファントム」と「クリスティーヌ」二人が揃ったプログラム。2006年若い大ちゃんが一人でファントムを滑りきってから、時が流れ2023年さいたまアリーナとそして16年前と同じ東京体育館で、「オペラ座の怪人」は真のフィナーレを迎えました。クリスティーヌと共に、これ以上ない幸福なフィナーレを。

使用したメロディーをファントムとクリスティーヌの二重唱とThe music of the nightの二曲に絞った選曲も素晴らしく、こんな素晴らしいプログラムを造ってくれたズエワ・コーチらスタッフに感謝!です。

 

その後生観戦したNHK杯、配信で応援した全日本も、大ちゃん飛ばしてる!すごいぞ!…が後半スタミネ切れ、最後のコレオリフトで「あ゛あ゛あ゛~」でした。そして四大陸であのボロボロ演技…。高地で薄い酸素の所為と分かってはいても「さいたま大丈夫か…」と私は不安MAXになってました…たぶんたまアリに応援に駆けつけた皆さまも同じ思いの方多かったのではないかと思いますが…どうでしょう?ニガワラ 

それだけに演技後に客席の歓喜大爆発だったのではないでしょうか。RDもFDも。

 

もうねワールドから2ヶ月経った今も、しょっちゅう動画を見返していますが、今日もまたかなだいの「オペラ座」見て、涙ぐんでましたよ私は。

 

続く国別の「オペラ座」も現地は応援叶わなかったものの、ワールドに勝るとも劣らぬ素晴らしいパフォーマンスで、こちら同じくリピしてます!演技後のインタビューで哉中ちゃんが「大ちゃんが笑っているように見えた」と言ってましたが、私はこれ聞いて2006年の全日本の神「オペラ座」のサーキュラーステップでファントムが微笑んでいるように見えたことを思い出しました。

 

とにかくかなだいの二人が納得いく演技で納得いく現役引退を迎えられて、ほんとうにほんとうによかった。

まだまだ「オペラ座」のことを語りたいのですが、長くなってきたのでまたの機会に…素人なりに各要素の印象などもいつか書いておきたいです。

今日はこれだけは書いておきます。懸念だった最後のコレオ・リフト、低い位置でのローテーショナルへの変更、大成功でしたね。難易度下げてリスクを軽減したこともさることながら、非常に美しくプログラムの流れにあった要素になっていたと思います。

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