Il quaderno d'Estate Ⅱ

Biglobeウェブリブログから移行してきました。

東映時代劇チャンネル 花嫁シリーズ

数年前にテレビが壊れて、You Tube視聴のできるテレビに買い換えて以来、夕食時はYou Tube「お勧め」の動画を流していることが多くなりました。CMがうざくて遂にプレミアムに加入するほどになってしまいました。

私のYou Tubeのアカウントの「お勧め」の動画は言うまでもなく「フィギュアスケート」「東京町歩き」「登山」「歌舞伎」「オペラ、ミュージカル」等々、当然のことながら私の趣味に沿ったものが多いのですが、何がきっかけだったのか「東映時代劇チャンネル」もお勧めされるようになりました…なぜかってやっぱり時代劇が好きで検索したことがあるからに他ならないのですが(ニガワラ)

 

2,3ヶ月前でしょうか。さすがの私もまだ生まれていなかった昭和30年初めの頃の「殿様 弥次喜多なんてのがお勧めされてきてなにげに見始めたらけっこう面白い!主演は中村錦之助、中村嘉津雄兄弟のコメディで、お話面白いし、衣装、セットが豪華、当時の日本の風景がのどかできれい(まだ江戸時代の街道を修正なしでロケ出来た場所が多数あった時代ですね)、立ち回りもたっぷりで、これぞ娯楽映画!そして何よりも美男美女のスター達と達者な脇役達と、黄金時代の日本映画を堪能できました。難を言えば、錦之助と嘉津雄がまるで双子のようにそっくりの上に当時の時代劇のメークの濃さゆえか二人の区別がつかないことがあったこと(笑)

 

弥次喜多」シリーズの後に配信(毎週金曜の晩に更新)されたのが「花嫁」シリーズで、第一弾「鳳城の花嫁」これに完全に嵌まりました!

大友柳太朗扮する鳳城の若君が自らの意思で「三国一の花嫁」を探すために城を出て江戸の町へ。世間知らずで一本気な若君が一介の浪人として活躍する様は、水戸黄門のような「ローマの休日」のような…。時代的には「ローマの休日」に影響を受けた可能性はありますね。

大友柳太朗はイケメンだし、身体能力高くて立ち回りを初めとするアクションがすごくて、しかも愛敬たっぷりで可愛いのですが、「若君も来年は三十」というには老けてないか?と思ったら、実年齢は当時45才くらいでしたー。でも切れのアルアクションは40過ぎとは思えないし、まるで太陽のような明るい笑顔で…どうしよう私ファンになってしまったかも。

…私の世代だと大友さんというと老優となってからのテレビや映画での性格俳優ぶり(「陽炎座」「楢山節考」や遺作となった「たんぽぽ」が印象に残っています)と、老いを苦にしての自死という悲しい最期が思い浮かんでしまうのですが、華やかな時代劇スターだったのだと改めて認識しました。

相手役の長谷川裕見子といううりざね顔の美人さん、あんまり知らない人だなと調べたら船越英一郎のお母様なんですね。

若君と大店のお嬢さんの恋のすれ違いが可笑しくて可愛くて(肝心のところで「タコ」にこだわる若君w)、やっぱり映画は美男美女のスターが登場してなんぽ(今はこういうの「ルッキズム」になるんですかね?ああ息苦しい時代だこと)

脇役陣も充実していましたが、私は特に鳳城の殿と奥方つまり若君の両親が大好きです。我が息子が城を出奔して行方不明になったというのに「あいつもとうとう嫁を迎える気になったんじゃやん」「可愛い子には旅をさせろちと言うからな、あはっは」「おほほほほ」と至ってのんきな殿と奥方で、さすがにあの若君の親御さんです。

 

 

などなど見ていない方にはなんのことやら分からないとは思いますが、とにかく私は楽しみました(笑)次の週の同じく大友さん主演の「鶯城の花嫁」も楽しみに見ましたが、これは思いっ切り駄作でがっかり。きっと「鳳城」があたってシリーズ化したのでしょうが、監督が替わったせいもあってかほっんとうにつまらなかった…

 

いささかテンションが下がりましたが、三週目の更新は「孔雀城の花嫁」はだいぶ持ち直して最後までしっかり見られました。小さな藩の若殿(中村嘉津雄)のもとに驕慢な将軍の息女(美空ひばり)が嫁いできて…というお話でしたが、最初の30分主演のはずの大友さんが影も形もなく気がもめましたよ。

今回の大友さんは山の猟師になり、姫をさらって山に連れていってしまう。これシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」の翻案のようですね。

若い頃の美空ひばりが普通にきれいで可愛かったのにちょっと吃驚。私が物心ついたときのひばりさんは既にカリスマあり過ぎ大物になり過ぎてましたからね。

姫を襲うクマが着ぐるみという無茶振りもありましたが、雪山のロケが本格的でこれ撮影大変だったことでしょう。その前に姫のお輿入れ行列の見たことないような大量エキストラで、これだけ予算かけられるとは「花嫁」シリーズは相当ヒットしてたのでしょう。

 

昨日の更新の「白馬上の花嫁」のサムネ見たらひばりと鶴田浩二…えー大友さんから交代かあ。もちろん鶴田さんも素敵だろうし、時間ある時に見ますけど、大友さん見られないの悲しい。

 

なんやかや書いてきましたが。やっぱり私は時代劇好きということですね。大友さんの作品もっと見るようにしよう。