Il quaderno d'Estate Ⅱ

Biglobeウェブリブログから移行してきました。

「エロクサ」ことロクサーヌとの再会

なんと今年最初のブログ更新になってしまいました。
正月三が日から何度かブログ記事を書きかけては母のお世話や夕食の支度などで中断、結局毎回完結させないまま時間が経ってました。
最近の母は自力で食事を摂るのが難しくなり、スプーンで口まで持っていってあげなければいけないので、今まで以上に介護に時間を割かれるようになっています。三が日はヘルパーさんが来ないので、一日のかなりの部分が食事の世話とおむつ替えに追われてました。

愚痴はここまで。そんな中でも1月にはプリンスアイスワールド東京公演の初日の昼公演に行くことができました。かなだいINが発表されてすぐにチケットは押さえていましたが、その後に大ちゃんとプリンスチームのロクサーヌコラボが発表され、楽しみ倍増になりました。
ロクサーヌのヴァージョンは、発表当時「エロクサ」などと呼ばれたものでしたねえ。忘れもしない2006年6月ドリーム・オン・アイスのテレビ放送で、私は初めて見たのですが(てかこの時がEXヴァージョのお披露目だったのかも)初めて「おっ高橋いいな!」と思った瞬間でした。ロン毛を後ろで縛り、顎ひげありだったような、そして赤パン…だったかな?(この当時私が使っていたデッキは「アナログDVD」というHDDなしで直接ディスクに録画するという代物で、せっかくお皿に落としたものが現在のブルーレイ&DVDプレーヤーで再生できず、記憶に頼るしかありません…。)
なんというか日本人離れしたワイルドさでしたが、あの「ロクサ席」と呼ばれるようになる客席アピールの時に、氷上席の反応がとても薄かったという記憶がw あの当時のDOIの主要な客層は海外男子ファンだったと思うので、ブレーク前の大ちゃんはまだ小僧っ子と思われてたのでしょう。まだ「めげるながんばれだいすけ」という時代でしたね。
私も本格的に大ちゃんを応援するようになったのは、この半年後の2006年12月からでしたから…

なにはともあれ、その後名演を重ねるEX ナンバーとなった「エロクサ」はバンクーバー五輪前後のスターズオンアイス日本ツアーで一度滑っていますが、いや十数年後にまたこの目で見ることができるとは…振り付けたモロゾフが知ったら喜ぶだろうなあ。

今回は今シーズンのプリンスアイスワールドのテーマであるミュージカルのチーム・ナンバー「ムーラン・ルージュ」に大ちゃんのパフォーマンスを組み込んだ形となりました。親友・コバヒロさんとのタンゴや華やかな衣装のプリンス・チームとの競演でよりミュージカルっぽい賑やかなコラボとなっていました。「レディ・マーマレード」では大ちゃんの軽いダンスも見ることが出来ました。
あのストレートライン・ステップを久しぶりに堪能しましたが、あの頃に比べると滑りが滑らかになっているのがはっきりと感じ取れました。二十才前後の荒削りな若さ丸出しのスケートと、円熟したアラフォーのスケートを十数年を経て目の当たりに出来るなんて、ファン冥利につきます。これというのも大ちゃんのスケート人生、パフォーマーとしての多彩な魅力が、こちらを飽きさせてくれず、長々とファンを続けさせてくれたから、ですね。

十数年前に大好きだった大ちゃんのバタフライは、初日はああ流石に高さが出なくなったなと思ったのですが、楽のテレ朝チャンネルのライブ中継見たら、随分と高さが出るようになっていましたね!やっぱり滑っていくうちにシングル時代の勘が戻ってくるのものですね。
久しぶりといえば、もちろん最大の注目ポイントはジャンプ。まず初日昼公演一本目の2Aは「高っ!」と瞠目させられました。ダンスの靴にシングルのブレードをつけるようになったそうですが、長いこと跳んでなかったのにここまで高く跳べるということは、これはすぐにジャンプ取り戻すなと直感しました、
残念ながら、2本目の3Lzは失敗してしまいましたが、楽の中継では3Fをしっかり降りていました。シングル時代の大ちゃんはフリップが一番得意だったと思いますが、やっぱりすぐに戻してきましたね。にしても大ちゃんはエッジ系ジャンプが好きですねー

諸事情で断念した滑走屋は、現地組の皆様が上げてくださった動画を楽しませていただいていますが、このエロクサだけで長くなってきたので、滑走屋の感想なりは、また機会をあらためますね。

 

※プリンス初日昼公演のミート&グリートで撮影他した写真を何枚かアップしておきます。

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遂にCOVID-19罹患😭

久しぶりの投稿がロクでもないことで…

コロナ禍が始まり3年以上踏み堪えてたのに、遂にコロナウイルスに感染してしまいました。10月17日まで自宅隔離です。感染経路は全く不明。

ただこの1ヵ月の度重なる家庭内の事件によるストレスが大きかったのだと思います。(Friends on Iceの感想書く余裕もありませんでした。)

9月上旬に母がショートステイ、私が旅行に出て昼間空き家になってた間にネズミに侵入され、業者を呼んで駆除してもらい開けられた壁の穴を塞いだにも関わらず、またしても2階のベランダから侵入され駆除業者を再び待っていたところでした。

その間、駆除が完全に終了するまでの家具の移動で狭くなった室内で私は足を引っ掛けて転倒、右足の人差し指を骨折。ベランダにまだネズミを閉じ込めているので洗濯物を干すところがなくなったのもストレスとなっていました。

さらに先週には、訪問入浴の看護師さんの早とちりで母が脈も呼吸も計測出来ない!という連絡が入るという事件が。急ぎ自転車を飛ばして職場から帰宅した私に、ケアマネさんが「しっかりしてね」と声をかけられ、いよいよ来る時が来たかと覚悟しました。救急車到着したら、脈も血圧もちゃんと計れて酸素飽和度も大丈夫だったので、搬送なしで救急隊の方達は帰っていきました。

それは一件落着だったのですが、私の心身の消耗は著しく、まだ解決しないネズミ問題が重くのしかかっていました。
こういう弱っている時にウイルスに入り込まれるのだと、つくづく狡猾な抜け目のない奴です。COVID-19!

火曜日の夜に喉に違和感→水曜日の朝から喉が痛くなり念の為仕事休み→喉の痛みが酷くなり咳も→木曜日朝、検査キットで陽性。かかりつけ医に電話しましたが、既に発熱外来の予約はいっぱいとのこと。骨折の腫れ対策で整形外科から処方されていたカロナール服用するも、午後から37.5度の発熱。咳と鼻水が酷い。次第に頭痛と悪寒→金曜日、やっと発熱外来の予約が取れて、前日よりは少し楽になっていたので歩いて受診に行きました。PCR検査の結果はやはり陽性。対処薬が処方されました。午後、平熱になり食欲も回復→本日土曜日、平熱で頭痛もなくなり軽快。咳と鼻水はまだあります。鼻詰まりだからか臭いを感じませんねー。

今まで罹患した方々にお話しを伺うと、その人の一番弱いところにつけ込むウイルスみたいなので、喘息体質で花粉症の私は喉と鼻にきたか!という感じです。よく聞く関節痛はほとんどなく、また水も飲めないほどの激しい喉の痛みというほどではありませんでした。

幸い同居の母と弟には今のところ症状が出ていないようで、とりあえずホッとしています。
問題は介護度5で寝たきりの母の世話。普段ヘルパーさんは夜には入らないから、夕食と寝る前のオムツ替えは当然私の担当ですが、ゴホゴホ咳してるコロナ感染者が、95才の寝たきりの年寄りにご飯食べさせたり、身体を密着するおむつ替えさせるって、あまりにも危険じゃありませんか!?
一昨日、ケアマネにコロナ罹患の報告の電話入れた時に「私が母の世話しなきゃいけないんでしょうか?」と尋ねたら、「そう!みんなやってるんだから夏さんがマスクしてやって」とあっさり言い渡されました…確かに第一波の頃だったか濃厚接触者を引き取ってくれるショートステイがないからと、感染者の息子さんが親の介護を自宅でそのまま続けているのをニュースで見たけど。でもあの息子さんは少なくともテレビカメラの前では咳してなかったけど、一昨日の私は一番咳が酷い時だったんですよ。何より頭痛と悪寒で立ってるのもやっとの状態で、そんな病人に介護しろって鬼かケアマネは。
幸いその日は、母の訪問看護の看護師さんが来る日で、「ケアマネが私に介護しろって言うんですけど、いいんでしょうか?」と尋ねたら、「えぇー!?緊急ショートステイとか頼めないんですか!?」
それをケアマネに伝えたら、あっさり夜の訪問介護を追加してくれました。
何が腹立つって、ヘルパーさんの追加が可能なのに、看護師さんが言ってくれるまでそれをやろうとしなかったこと。人手不足とか大変なことは理解していますが、感染症という事態を前にして、最善の手を尽くすべきですよね?
以前から「このケアマネ変えたろか」と思うことが2度ほどあったのですが、うーむ。

私の食料はセブンイレブンの配達でなんとかしてますが(ありがたやありがたや)、母の分がなくなってきたようです。弟が買ってくるパンやプリンでは足りないので、今日ヘルパーさんが老人用のレトルトやポカリスエットを買ってきてくれて、ケアマネには腹が立つけれど、ヘルパーさんには感謝あるのみです。

私の隔離は来週の火曜日までですが、ヘルパーさんが夜まで入ってくれるのは明日の日曜日まで。たぶん明後日の夜頃には咳も減っているだろうから、母のお世話大丈夫かな?
こうやって書いていて、やっぱり私が一番に考えてるのは、何があっても母には移さない!ということなんだな、と思います。
コロナが軽快しても、執念深いネズミ問題が重くのしかかったままなのですが、とにかく今は体調を戻すことを第一に務めます。
…ネズミはねえ、十数年前に近くのO田急線の複々線工事で沿線の古い家屋が一斉に取り壊されて以来、近辺がネズミ多発地帯になっちゃったんですよ。夜にウォーキングする人が、これまた近くのS田谷線の線路をネズミが走り回ってるって言ってましたもの…この憂鬱な話はまた別の機会に。
皆さまもくれぐれも健康にお気をつけてお過ごしください。

東映時代劇チャンネル 花嫁シリーズ

数年前にテレビが壊れて、You Tube視聴のできるテレビに買い換えて以来、夕食時はYou Tube「お勧め」の動画を流していることが多くなりました。CMがうざくて遂にプレミアムに加入するほどになってしまいました。

私のYou Tubeのアカウントの「お勧め」の動画は言うまでもなく「フィギュアスケート」「東京町歩き」「登山」「歌舞伎」「オペラ、ミュージカル」等々、当然のことながら私の趣味に沿ったものが多いのですが、何がきっかけだったのか「東映時代劇チャンネル」もお勧めされるようになりました…なぜかってやっぱり時代劇が好きで検索したことがあるからに他ならないのですが(ニガワラ)

 

2,3ヶ月前でしょうか。さすがの私もまだ生まれていなかった昭和30年初めの頃の「殿様 弥次喜多なんてのがお勧めされてきてなにげに見始めたらけっこう面白い!主演は中村錦之助、中村嘉津雄兄弟のコメディで、お話面白いし、衣装、セットが豪華、当時の日本の風景がのどかできれい(まだ江戸時代の街道を修正なしでロケ出来た場所が多数あった時代ですね)、立ち回りもたっぷりで、これぞ娯楽映画!そして何よりも美男美女のスター達と達者な脇役達と、黄金時代の日本映画を堪能できました。難を言えば、錦之助と嘉津雄がまるで双子のようにそっくりの上に当時の時代劇のメークの濃さゆえか二人の区別がつかないことがあったこと(笑)

 

弥次喜多」シリーズの後に配信(毎週金曜の晩に更新)されたのが「花嫁」シリーズで、第一弾「鳳城の花嫁」これに完全に嵌まりました!

大友柳太朗扮する鳳城の若君が自らの意思で「三国一の花嫁」を探すために城を出て江戸の町へ。世間知らずで一本気な若君が一介の浪人として活躍する様は、水戸黄門のような「ローマの休日」のような…。時代的には「ローマの休日」に影響を受けた可能性はありますね。

大友柳太朗はイケメンだし、身体能力高くて立ち回りを初めとするアクションがすごくて、しかも愛敬たっぷりで可愛いのですが、「若君も来年は三十」というには老けてないか?と思ったら、実年齢は当時45才くらいでしたー。でも切れのアルアクションは40過ぎとは思えないし、まるで太陽のような明るい笑顔で…どうしよう私ファンになってしまったかも。

…私の世代だと大友さんというと老優となってからのテレビや映画での性格俳優ぶり(「陽炎座」「楢山節考」や遺作となった「たんぽぽ」が印象に残っています)と、老いを苦にしての自死という悲しい最期が思い浮かんでしまうのですが、華やかな時代劇スターだったのだと改めて認識しました。

相手役の長谷川裕見子といううりざね顔の美人さん、あんまり知らない人だなと調べたら船越英一郎のお母様なんですね。

若君と大店のお嬢さんの恋のすれ違いが可笑しくて可愛くて(肝心のところで「タコ」にこだわる若君w)、やっぱり映画は美男美女のスターが登場してなんぽ(今はこういうの「ルッキズム」になるんですかね?ああ息苦しい時代だこと)

脇役陣も充実していましたが、私は特に鳳城の殿と奥方つまり若君の両親が大好きです。我が息子が城を出奔して行方不明になったというのに「あいつもとうとう嫁を迎える気になったんじゃやん」「可愛い子には旅をさせろちと言うからな、あはっは」「おほほほほ」と至ってのんきな殿と奥方で、さすがにあの若君の親御さんです。

 

 

などなど見ていない方にはなんのことやら分からないとは思いますが、とにかく私は楽しみました(笑)次の週の同じく大友さん主演の「鶯城の花嫁」も楽しみに見ましたが、これは思いっ切り駄作でがっかり。きっと「鳳城」があたってシリーズ化したのでしょうが、監督が替わったせいもあってかほっんとうにつまらなかった…

 

いささかテンションが下がりましたが、三週目の更新は「孔雀城の花嫁」はだいぶ持ち直して最後までしっかり見られました。小さな藩の若殿(中村嘉津雄)のもとに驕慢な将軍の息女(美空ひばり)が嫁いできて…というお話でしたが、最初の30分主演のはずの大友さんが影も形もなく気がもめましたよ。

今回の大友さんは山の猟師になり、姫をさらって山に連れていってしまう。これシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」の翻案のようですね。

若い頃の美空ひばりが普通にきれいで可愛かったのにちょっと吃驚。私が物心ついたときのひばりさんは既にカリスマあり過ぎ大物になり過ぎてましたからね。

姫を襲うクマが着ぐるみという無茶振りもありましたが、雪山のロケが本格的でこれ撮影大変だったことでしょう。その前に姫のお輿入れ行列の見たことないような大量エキストラで、これだけ予算かけられるとは「花嫁」シリーズは相当ヒットしてたのでしょう。

 

昨日の更新の「白馬上の花嫁」のサムネ見たらひばりと鶴田浩二…えー大友さんから交代かあ。もちろん鶴田さんも素敵だろうし、時間ある時に見ますけど、大友さん見られないの悲しい。

 

なんやかや書いてきましたが。やっぱり私は時代劇好きということですね。大友さんの作品もっと見るようにしよう。

 

私的かなだい「オペラ座の怪人」考 And listen to the music of the night

アイスエクスプロージョン2023福岡公演が始まり、ツイッターのTLに観客撮影可のグループナンバーの動画が流れてきて、うれしい限り…そして現地に行けない我が身が残念ですが、母を自宅介護する身は、気軽に遠方に旅行に行けないので仕方ありません。

むしろそんな自由が制限される中で、さいたまワールドはRD、FD両日、国別対抗はRDの日に生観戦出来たことは、幸運だったと感謝したいと思います。

 

国別はねえ…かなだいが出場するか確信が持てず、職場の休みを取っていなかったのが今思うと痛恨です。かなだい出場じゃない可能性があっても、両日休みを取っておくべきでした。考えて見れば、ワールドランキングが上の組が行くんだし、正当な理由無しで欠場したらペナルティで1ヶ月ショーに出られないし(今もそうか知らんけど、大ちゃんがシングル時代はそうでしたよね。欠場したら神戸チャリティーに出られなくなるからって大ちゃん右足引き摺っていたのに国別対抗に強行出場したんですよね。同じ年に特定選手はあっさり免除されたことと併せて、私は忘れてないからね)、余程のことがな今限り、がなだい選出でしたね。こんな疑心暗鬼になっていたのも、北京オリンピック選出の時のトラウマですかね。

グダグダ書いてきましたが、要するに、よく言われる「推しは推せる時に推せ」ということ。むりしてもかなだい現役のラストダンスとなった国別の「オペラ座の怪人」見に行けばよかった…(RDのあった木曜日は元々休みだったので、現地行けました。)

 

さて本題。

シーズン前、かなだいのFDの曲が発表された時、正直なところ「オペラ座の怪人」かぁ…いくら大ちゃんのシングル時代に名プロがあったとはいえ、競技プロとしては数え切れないほどの選手が使っていて今さらなんじゃないかな…という悪魔の声が私の心の片隅にありました。

オペラ座」は名曲揃いゆえか、へたくそに曲を繋げた駄プロが多くてねえ。ちなみに大ちゃんのシングル時代の「オペラ座」はさすがモロゾフ、曲の繋ぎが絶妙で名プロになってました。あと今思いついたのは、カン様こと神崎範之さんが大ちゃんと同じ2006/2007シーズンにやっていた「オペラ座」も印象に残っています。未だにたまに2006年全日本のカン様の動画見ることがあるのですが、The music of the nightのメロディで三連ジャンプ跳ぶところがほんとにいいんです!

 

話がまた逸れてしまいましたが、昨年10月のスケートアメリカで迎えたかなだい「オペラ座の怪人」お披露目。事前に配信で哉中ちゃんが曲を編集している様子が伺え(才女だ…)、当初の疑念?から期待に変化してきてましたが、それにしてもスケアメで初めて目にしたフルヴァージョンはある種の衝撃でした!スケアメ観客のプログラム人気投票でもアイスダンスRD、FDすべての中で一番取ったというのもあのプロに魅せられたのは私だけでない!証明ですね。現在のアイスダンスの競技プロはコンテンポラリーが主流なので、物語性のあるプロが受けたというのもあるとか。

 

大ちゃんのシングル時代遡りますが、第一期のラスト前のシーズンのフリーにオペラ「道化師」がありました。妻に裏切られた道化師の怒りと悲しみを若い大ちゃんがパセティックに表現し、特に2012年全日本は名演技として記憶されてますが(順位・点数的には私は未だに口惜しくてなりませんが)、同じ頃にペアの川口&スミルノフが同じ「道化師」を競技プロに使っていたシーズンがあり、これ見てちょっと考えてしまいましたね。大ちゃんの「道化師」は表現の極限までいった素晴らしいパフォーマンスだったけれど、オペラとかミュージカルを使用する場合は、カップル競技にはかなわないのではないか、という…。たとえば「道化師」は嫉妬に狂う夫と、その束縛から逃れようとする妻の葛藤の物語で、やはり「夫」「妻」二人が揃うと物語性が強調されプログラムに真実味が増すのだと思います。

 

ここで思い出すのが、配信でズエワ・コーチがかなだい二人に語っていたたとえ話。こん内容でした。

かつて大輔は一人でファントムを滑っていて、頭の中で理想のクリスティーヌを創り上げた。そして今そのクリスティーヌが現実の女性となって現れた。それが哉中なの。

スケアメでフルを見た時に「かなだいオペラ座の意味はこれだ!」と思いました。「ファントム」と「クリスティーヌ」二人が揃ったプログラム。2006年若い大ちゃんが一人でファントムを滑りきってから、時が流れ2023年さいたまアリーナとそして16年前と同じ東京体育館で、「オペラ座の怪人」は真のフィナーレを迎えました。クリスティーヌと共に、これ以上ない幸福なフィナーレを。

使用したメロディーをファントムとクリスティーヌの二重唱とThe music of the nightの二曲に絞った選曲も素晴らしく、こんな素晴らしいプログラムを造ってくれたズエワ・コーチらスタッフに感謝!です。

 

その後生観戦したNHK杯、配信で応援した全日本も、大ちゃん飛ばしてる!すごいぞ!…が後半スタミネ切れ、最後のコレオリフトで「あ゛あ゛あ゛~」でした。そして四大陸であのボロボロ演技…。高地で薄い酸素の所為と分かってはいても「さいたま大丈夫か…」と私は不安MAXになってました…たぶんたまアリに応援に駆けつけた皆さまも同じ思いの方多かったのではないかと思いますが…どうでしょう?ニガワラ 

それだけに演技後に客席の歓喜大爆発だったのではないでしょうか。RDもFDも。

 

もうねワールドから2ヶ月経った今も、しょっちゅう動画を見返していますが、今日もまたかなだいの「オペラ座」見て、涙ぐんでましたよ私は。

 

続く国別の「オペラ座」も現地は応援叶わなかったものの、ワールドに勝るとも劣らぬ素晴らしいパフォーマンスで、こちら同じくリピしてます!演技後のインタビューで哉中ちゃんが「大ちゃんが笑っているように見えた」と言ってましたが、私はこれ聞いて2006年の全日本の神「オペラ座」のサーキュラーステップでファントムが微笑んでいるように見えたことを思い出しました。

 

とにかくかなだいの二人が納得いく演技で納得いく現役引退を迎えられて、ほんとうにほんとうによかった。

まだまだ「オペラ座」のことを語りたいのですが、長くなってきたのでまたの機会に…素人なりに各要素の印象などもいつか書いておきたいです。

今日はこれだけは書いておきます。懸念だった最後のコレオ・リフト、低い位置でのローテーショナルへの変更、大成功でしたね。難易度下げてリスクを軽減したこともさることながら、非常に美しくプログラムの流れにあった要素になっていたと思います。

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E la strada prosegue そして道は続くーかなだい現役引退

かなだい現役引退が明らかになってから10日あまり。引退が公になった5月1日の2日前、プリンスアイスワールドでゲストのかなだいの"Love goes"を見て、撮影タイムに写真を撮らせてもらった時には、「現役引退」の四文字は思い浮かびもしませんでした。

そのPIWのこともその前の国別対抗(RDの日しか生観戦出来ませんでしたが…)のこともブログに書く暇がなく、今日やっと書く時間が取れた次第です。

 

April 29, 2023 Shin-Yokohama 

 

大ちゃんの年齢を考えればいつその時が来てもおかしくないのに、昨年の去就発表時期から考えて、今シーズンもまだすぐには発表はないと油断してました…5月1日月曜日、仕事が終わってスーパーで買い物、レジ待ちの列でふとスマホを見たらNHK防災アプリから「髙橋大輔 村元哉中 現役引退」の通知が。

 

今振り返ると、2014年の一回目の引退の時は、正直ほっとした気持ちがありました。ソチ前後の怪我やネガキャン(「世代交代」の煽りはほんとうに嫌なものでした)、様々な出来事から「もう競技の世界にいても…」という思いが私にはあったのです。

でも今回は紆余曲折だからこその達成感があったワールドと国別のパフォーマンスがあり、アイスダンスチームとしての進化がはっきりと実感され、ここまできたら次は200点超え、GPS表彰台、ワールド入賞…と明るい展望が開けていました。捕らぬ狸の皮算用になってしまいまいしたが、私は「オリンピック行けるかも!?そうなったら私はミラノ、コルペナダンペッツォまで応援に行くよ?」などと考えていました。

そんな風に勝手に盛り上がっていたので、突然に思えた引退は前回の何倍もの衝撃でした。しかし翌日の記者会見の報道とインスタライブで大ちゃん哉中ちゃんの口から引退に至った理由を聞いて、100%納得しました。

アイスダンスに転向してからも時々「大ちゃん膝大丈夫なのかな。クリスも膝の怪我で苦労していたし、アイスダンスの男子も膝に負担多そうだよね。でもジャンプないから大丈夫なのかな?」などと想像していましたが、記者会見で大ちゃん自身の口から語られた右膝の状態は、想像以上に厳しいものでした…アイスダンスになってからも、たまにキスクラで右膝をさすっていることがありましたが、あれも今思うと…

とにかくかなだいとして、いち表現者として長くパフォーマンスを続けるためにも、ここで競技を終了するのは正しい判断になるのでしょう。

 

前述したように、競技者かなだいとして伸びしろがまだまだあったと思われるだけに、口惜しい気持ちを完全に払拭できてはいませんが、記者会見の時の大ちゃんの明るい表情を見ると、前回の引退の時との実感します。今見ると、2014年の貴社会見の時の大ちゃん目が死んでました…。

それに私は大ちゃん自身がそんなに気にしているとは思っていなかったのですが、2014年のさいたまワールドを欠場して、そのままファンに別れを告げないまま引退したことを気に掛けていたんですね。まるで運命に導かれるように、同じさいたまアリーナでのワールドと、大ちゃんを男子シングルのトップグループに押し上げた2007年ワールドと同じ東京体育館で、2度目の引退を迎えることになりました。しかも16年前と同じ「オペラ座の怪人」で!それもかなだい自身も私たちファンも納得いく素晴らしいパフォーマンスをRD、FDともに二試合で揃えて。

2008年の右膝の怪我の時も辛かったですが、2012年頃からの一連の嫌な流れは思い出すのも辛い年月でしたが、ああいったこともすべて今に繋がっていたのですね。バンクーバー・オリンピックの時の西岡アナの実況の「すべての道はバンクーバーに繋がっていた!」のとおり、その先も道はずっと続いていて、そしてこれからも続くのですね。

2015年、スケート靴を置いてアメリカに行ってしまった時も、あれがあったからこそ大ちゃんはスケートをもう一度見つめ直して、スケートとともに生きる道に戻ってこられた。ほんとうに何一つ無駄なことは なかった。

1度目とは打って変わって「自分が好き」という晴れやかな大ちゃんを見ることが出来て、私は心の底からうれしいです。

 

そして哉中ちゃん。かねてからの「大ちゃんが最後のパートナー」という言葉通り、一緒に現役引退してくれました。三十才という年齢を考えると、時間をかけて次のパートナーを探すのは大変というのはあるにせよ、フィジカルの面での余裕を残しながら、「最高のパートナー」と同じ道を行く選択をしてくれた。

国別対抗の「オペラ座の怪人」のフィニッシュの直後に、大ちゃんのシングル時代の「オペラ座」のフィニッシュの仮面を取る仕草をした哉中ちゃん。それは交差した二人の「道」が交差して、そしてそれはまだ続くということの象徴のようでした。

 

競技から退いても、「かなだい」は続行した上で、大ちゃん哉中ちゃん各々ソロ活動も並行していくとのこと、一粒で二度美味しいじゃないですか!まずはアイスエクスプロージョン福岡公演(介護があるので急な遠征の出来ない私は、涙をのみますが、でも本当はすごく行きたいです…)で新たな始動、そして来年はいよいよ「氷艶」の再開!もう楽しみしかありません!!

 

それでも最後に「未練」を書かせてくださいね。大ちゃんの一回目の引退の時の私は「もう試合には縁なくなるな。それでもいいや」ぐらいに思っていたのが、2018年の現役復活からのこの5年間、あの張り詰めた試合の空気を再び吸ったことで、高橋大輔ファンとしてはそこから距離を置くことになるもう戻れないというのをとてもさびしく感思います。

かなだい始動後、コロナ禍という中断や制限が入ってしまいましたが、ワールド、国別と最後の二試合で歓声の解禁された会場で、競技のフィニッシュを迎えることが出来てほんとうによかった…!私も「大ちゃんがんば!」「大ちゃんかなちゃんがんば!」と声援を飛ばせて、これで思い残すことはないとしなくちゃ。

ワールド「オペラ座」後のインタビューで大ちゃんが5分間練習での「がんばれ」の声援を聞いて「よし頑張る!」となったと言ってたことうれしいですねえ。

私個人としても大ちゃんのいない2014年のさいたまワールドでの苦い現地での思い出を同じ会場で完全に払拭出来たし、繰り返しますが今回は大ちゃん本人にもファンにも幸せな引退となったことをスケートの神様に感謝するばかりです。

 

そして16年 ー 再びサクラサク フィギュアスケート世界選手権2023 その1

さいたまスーパーアリーナで開催された第113回世界選手権から一週間が経ちました。

その間、私はツイートすらあまりしなかったのですが…歓喜爆発状態だったというのに、我ながらいったいなんでその思いをSNSで出さなかったのか。もちろん観戦後には、さいたまアリーナに詰めていたツケで、仕事や介護に追われもしましたが、それにしても試合の直後にもツイート2,3しただけだったと思います…あまりにも胸がいっぱいになりすぎていたんでしょうかねえ。しみじみと喜びを胸の中で反芻していたというか…

とにかくたまアリでの熱い感動を文章に残しておきたいので、ブログで文章にまとめてみようと思います。

 

もう何度も書いていますが、そもそもの始まりは16年前、東京体育館で観戦した2007年世界選手権男子フリーでした。あの時のキスクラも桜の花で飾られていましたが、16年後会場こそ変わりましたが、たまアリのキスクラも桜で飾られました。奇しくも2007も2023も私の席はキスクラを正面から見る席で、16年前、世界の男子トップ選手へと駆け上がった21才の高橋大輔とアイスダンサーとして不死鳥のように甦った37才の高橋大輔

を桜の花とともにこの目で見届けたなんて…こんな幸せを与えてくれたスケートの神様にただただ感謝しています。

 

哉中ちゃんとカップルを組んで3シーズン目(1シーズン目はコロナ禍だったから、国際試合に関しては実質2シーズン目ですね)の2022/2023、リズムダンス、フリーダンスともに良プロに恵まれ、我々ファンだけでなく初戦のスケートアメリカの観客にも好評なパフォーマンスで始まりましたが、テクニカルな取りこぼしがあり点数的には伸び悩みの感が続きました。そして2月の四大陸選手権では散々といってよい結果に…標高1800mという環境がアラフォーの大ちゃんの体力を奪ったという原因がはっきりしていても、それでも私はワールドまでの1ヶ月間不安な気持ちでいました。ジャッジの心象も悪くなったかもしれないし…

 

それだけにRDの「コンガ」が大ちゃんのツイズル回り過ぎのようなミスもあったものの、まずは無事に滑りきったことは、ほっとしたというか、こちらが勇気100倍もらった感じでした。会場の歓喜爆発っぷり見ても、私以外のかなだいファンの多くも同じように祈る気持ちでRDの日を迎えていたのではないでしょうか。

それにしても久しぶりの声出し応援可能な5分間練習…こんなに張り合いのある素晴らしいものだったんですねえ。私は24日は400レベルの最前列だったので遠慮することなく(もちろんマスク着用で)、「大ちゃんがんば」「哉中ちゃんがんば」「大ちゃん哉中ちゃんがんば」叫ばせていただきました!FDの時もそうでしたが、かなだいが通り過ぎるとうねりというか地鳴りのような応援の声と拍手が広がっていき、今思い出してもゾクゾクするような快い緊張の漲った空間でした。

 

点数は72点、正直もっと出るかなと思っていたのですが、前述のツイズルのミスもあったことだし、とにかく目標の10位以内に手の届く11位につけて翌25日のFDを迎えました。

…FDの結果についてはここで繰り返すまでもないでしょう。遂に「オペラ座の怪人」の完成形を滑りきり、フィニッシュポーズの後、手で顔を覆って感涙の大ちゃん(フジに実況では、哉中ちゃんのアップを捉えていて、大ちゃんが手で顔を覆っているところは映っていませんでしたね)ーその瞬間私はキスクラでモロゾフと歌子先生と抱き合って号泣していた若き日の大ちゃんの姿を重ねていました。

あの時もファントムだった!これはやはり運命だったのでしょう。一時はスケートから心が離れかけたのに、まるで燃え尽きた灰の中から甦る不死鳥のように高橋大輔は氷上で義経光源氏に転生し、そして今アイスダンサーとして再びファントムに戻ってきた…しかも哉中ちゃんというクリスティーンを得て。

 

なんかもうポエムになってしまいましたが、だってやっぱりこれは「道」なんですよ。かつてCobaさんが大ちゃんに贈った「あなたは僕と同じ道を拓く人だ」という言葉のとおり。

 

リンクを上がってきた時にトカチェンコ先輩がかけた"Right time, right place"という言葉、点数が出る直前にかなだいの二人が「何点でもいいよ」と言い合っていたこと、そして115点という目を丸くして驚く二人、すべてが幸せな物語でした。

 

かなだいのことだけでなく、今回の世界選手権はスケートの神様に守られたかのような素晴らしい大会となりました。私が生で観戦できたアイスダンスも男子女子FSもまさに「神大会」!ペアも見たいし、私はすべての選手を映像で持っていたくなり急遽Jスポ加入しちゃいましたよー。

かなだい以外の感想もこの後綴れたら…と思っています。